無い内定で大学4年の2月まで就活してた話

就活

大学生の就職活動だと、4年の夏には既に内定を持っている方が大半だと思います(今年は6/1時点で内定率79.6%だそうです)。

そんな「夏にはひとつくらい内定を持っている」風潮の中、私は4年の2月まで就活していました…。

今回はその時の失敗を元に、私の就活の失敗と今思うことについてお話しします。

前提

私は2019卒でコロナ前に就職しています。

就活スケジュールは2024卒と同じ、経団連の方針としては大学3年3月に解禁、4年の6月に面接解禁で、当時も売り手市場と言われていました。

19卒の時点でも大学3年のうちから採用活動を始めている企業は多くありましたが、現在ほど通年採用は一般的ではなかった印象です。

また、コロナ前ということで就活は説明会から面接まで全て対面形式が基本です。就活時の移動だけで交通費がかなりかかっていました。

就活開始から内定が出るまで

大学3年夏:学内の就活セミナー、短期インターンシップに参加

大学3年の夏季休暇の時期を中心に、就活セミナーやインターンシップが多く開催されます。

その時期から就活を始めるのはそこそこ早い方でした(有名大学ならもっと早いかもしれませんが)。

長期インターンシップも当時からありましたが、長期だと選考があり面接を通過しなければならない場合がほとんどです。面接に苦手意識があったので、選考のない短期のみ参加していました。

どの業界が自分に合っているか見極めるため、業界を絞らず幅広く見ていましたが、正直自分が行きたい・合っていると思える業界を見つけられませんでした。

大学3年3月:就活解禁、憧れだけで出版・エンタメ系ばかり受ける

これまでの就活や自己分析の結果、結局自分に何ができるのかわからず、とりあえず興味のある業界に書類を送っていました。

出版・エンタメ系の新卒総合職採用となると、おおよそ最初の配属先が営業になります。正直、自分に営業ができるとは思えません。でも自分に何が向いているのかもわからないため、とりあえず就活を進めるしかありませんでした。

と言っても出版・エンタメ系は狭き門。5名程度の枠に1万人以上が集まります。何件か面接に進んだものの、6月には全落ち。

狭き門だとは最初からわかっていたので、それ以外にも自分で就活サイト・逆求人サイト・就活エージェントを利用して業界を絞らず選考を受けていました(大学からの支援については不信感を持っていたので、この頃は全く利用していませんでした)。就活エージェントによくIT系を勧められていたため、説明会に多く参加して業界の仕組み等はこの辺りで学びました。

何がしたいかわからない、何ができるかもわからない状態だったため就活もうまくいかず、この時は自己評価も下がって自分を雇ってくれるところは無いだろうと感じていました。とりあえず選考を受けられる母数を増やすため、説明会の予定を1日2〜3件詰め込む毎日。結果、予定の詰め過ぎでキャパオーバー。体がついていかなくなり、精神科に通院し始めました。

大学4年9月:就活を一旦休止

卒業論文を地元の方言を題材に書く予定だったので、夏季休暇中に帰省して調査をする必要がありました。卒業できなければ就職が決まっても元も子もないため、一旦こちらに専念。

大学4年10月:就職以外の道を模索する

もうフリーターでもいいやと就職を諦め始める。何ができるかわからない就活以外で、自分のやりたいことを重視して行動してみました。編集プロダクションのインターンに応募してみたり。

その中で歌うことや作詞が好きだったため、芸能事務所のオーディションに参加しました。結果はレッスン料を払えば仮所属できるとのこと。他にやりたいこともないのでとりあえず前に進むため契約しました。

レッスン料を払いながら東京で一人暮らしするには正社員を目指したほうが良さそうだったので、ここでもう一度就活を再開。以前とは違って条件で応募先を絞りました。給与が低くなってしまう事務職や販売職を避け、自分が苦手であろう営業職も避け、未経験でも入社できるエンジニア職を中心に選考を進めました。さらに給与や休日数を鑑みて応募先を選定。条件で就活を始めてからの方が、選択肢が多すぎる中から自分に合った仕事を探すよりも気持ち的に楽になりました。

大学4年12月:初めての内定を蹴る

12月になってようやく初めて内定を取りました。全国展開している工場職です。この求人はエージェント経由で応募したのですが、求人票には転勤は関東圏内と記載があったにも関わらず、最終面接で全国転勤と伝えられました。その中には私の地元の絶対に車がないと生活できない地域も含まれていました。免許もなく、時期的にも金銭的にもこれからの免許取得は難しい。面接官に「免許を持っていないのですが、車がなくても大丈夫でしょうか?」と質問したところ、「大丈夫だと思いますよー」と…。

こいつ適当なこと言いやがって と思い、そこは辞退しました。どれだけ足元を見られても条件に合わないところは絶対に選ばない強い気持ちがあって助かったと思っています。

大学4年2月:内定

ようやく条件に合うところに内定し、就活終了。

後から気づいたのですが、迷惑メールに内定通知が1通紛れ込んでいました…。それまでのメールは普通に届いていたのにです。

結果的に1年以上頑張って内定は3つでした。

1年以上かかっても頑張れた理由

一人で食っていかなければならないという状況だったのが大きいです。ここで「究極実家に帰れば何とかなる」という状態だったらそこに甘えてしまったかもしれません。

また、芸能事務所に所属したのは良い選択かと言われれば微妙ですが、これがなければ正社員で就職しようという気にもなれなかったと思うので、必要な過程だったと思っています。自分にできることがわからなくて、どこに向かって努力すれば良いのかわからなかったので、条件を絞るきっかけになったのは良かったです。

自己分析について

世の中にはありとあらゆる自己分析ツールがありますが、私の場合毎回芸術家タイプと言われていました。就活しているのに芸術家って言われても…。

適職診断ではイラストレーターやパティシエ、役者なんかを勧められてました。今からどうしろと。せめて大学進学前に言って欲しいところです(笑)。

その中でもいろんな自己分析ツールを使用していくと、プログラマに向いていると診断されることが多いことがわかりました。就活エージェントにも「新卒の職種は営業職、エンジニア職、販売職の3択(単純に求人が多いからだと思いますが)。エンジニアがいいのでは?」とよく言われていました。

プログラマ適正テストとしてよく用いられるCABの成績も良かったし、今でもエンジニアとして働いているのである意味正しかったかもしれません。

今思う就活の失敗点

面接が怖くて全く対策をしなかった

私の場合、本番の面接よりも面接「練習」の方が抵抗を感じていました。絶対にダメ出しされる状況で、自分を否定される気持ちになりたくなかったからです。

しかし結局就活では面接を避けて通れません。いくら本番の方が抵抗感がなくたって、練習していなければ良い結果を出しにくいのは明白です。面接練習でダメ出しが出ても、面接における立ち居振る舞いで改善した方が良いところを指摘されるだけで、自分の人格を否定されるわけではありません。そこを考えるともっと面接練習をしておけば良かったと思っています。

早い段階から就活していたので慢心していた

周りが動き出す前に就活を始めていたので「これだけやったならどこかは決まるだろう」と、内心慢心していたところもあったような気がします。情報収集は早いに越したことないですが、どんな職種が自分に合っているかある程度見当をつけた状態にし、自分は何もできないという思考を脱却しない限りうまくいかないと思います。あと「就活嫌だからなるべく早く終わらせたい」人の方がこだわりがないので早く終わる傾向がある気がします(個人の見解です)。

好きなことに囚われすぎた

「好きを仕事に」という思想が横行していますが、好きを仕事にしている人はそんなに多くないです。むしろ多くないからここまで喧伝されているのだと思います。好きほど拘らなくていい、苦じゃないことを仕事にしている方が楽なんじゃないかと。短期間の就活で「好き」を軸に進めるのが難しいと思ったら、これまでの経験から苦ではなさそうな職種を選ぶ気持ちでいいと思います。「好き」を趣味で続けている間にいつかお金が入ってくるようになるかもしれません。そしたらそこから転職なり独立するなり考えればいいだけです。就活で人生が決まるわけではありません。

就活エージェントを使いすぎた

まず就活エージェントは仕事でやっています。エージェントは紹介した学生が入社時に、その学生の年収の何十%かを成功報酬として企業に支払ってもらうことで利益を出している業態です。なので学生が入れそうな会社に無理やり突っ込んで入社してさえくれれば儲かります。本当に学生のことを思って働いている人もいるだろうけれど、自分の営業成績のために適当なところを勧めてくる人もいるのでエージェントだけで就活するのは得策ではありません。文系非高学歴は携帯販売会社勧られがち(個人の見解です)。

とりあえず説明会に行きまくる

「自分を採用する会社なんて無いだろう」という思い込みから、とにかく母数を増やすためにエントリーし、説明会に参加しまくっていました。結果、大量にエントリーしても書類の作成にも時間がかかるため、応募出来ずじまいになったりと全くスケジュール管理ができていませんでした。過度な自己卑下はよくありません。

フリーターでもいいやという甘え

都内で一人暮らしフリーターはきつい。

仕事内容や掛け持ち等で不可能ではないが、最終的には体力勝負になると思います。何なら正社員事務職でも都内一人暮らしはきつい。奨学金等ローンの支払いが月3万円だとする場合、額面21万が最低ラインだと考えて良いと思います(生活コストが安い人はこれに限らないが)。

落ち着きすぎている

エージェント経由で応募した場合、不採用理由を確認できることが多いです。で、理由を聞くと大体「新卒らしいフレッシュさがない」と言われていました…(別の理由があるかもしれないけど)。新卒は実績がないのでできる限り明るく振る舞うのがベストだとは思います。ですが正直私にフレッシュさを求められてもなとは思っていました。

個人的にこのパターンの人は転職の面接の方がうまくいく気がします。

自己分析で「自分にできることはない」と落ち込みすぎた

絶対に内定が取れそうな分厚い本を購入して過去を掘り下げたりはしていたのですが、やればやるほど自分には何も無いことを裏付けされているように感じました。自己卑下しているため面接でもうまく自分をアピールできません。冷静に考えて、新卒は基本ポテンシャルでしか評価できません。なのでとりあえず自信のある振りだけでもしておいた方がいいと思います(まあ出来たら苦労しないんですけどね…)

ガクチカに「精神疾患から回復したこと」を書いた

学生時代に精神疾患を経験し、そこから普通に生活できるまで回復した人からしたら、それこそが人生の経歴であり、アイデンティティになってしまうのも致し方ありません。しかし企業側からしたら「メンタル弱いのかな?」(条件さえ揃えば誰でもなる可能性があるが、正しい知識を持っている人はまだ多くない)という懸念点になってしまいます。統計的にも精神疾患は一度なった人の再発リスクが高いため、障害者枠でもない限り、回復しているならば言及しない方が有利だと思います(どんな人でも受け入れられる会社の方がいいとは思いますが、会社規模によっては難しいのが現実)。

面接に落ちる=自分を否定されたと思っていた

社会人になればそんなことはないとわかるのですが、社会に出たことがない学生からしたら、面接に落ちただけで自分を否定されたように感じてしまいます。

面接に落ちたのは、その会社と相性が悪かったか、たまたま今採用したい人物像から外れていた・他に良い人がいた等のタイミングの問題も大きいです。また、面接の時間内に採用の決定打となる情報を相手に伝えられなかったことも考えられます。これらを踏まえても人格を否定されたと思う必要は全くありません。

学内の就活支援を利用すれば良かった

理由があって学内の就活支援は敬遠していたのですが、今思うともっと利用しておけば良かったです。

まず学内のキャリアセンター等は、多くの学生に就職(・進学)して欲しいと思っています。学校の就職率が良かったり、有名企業の内定者が多ければ学校のブランドに繋がるからです。ここまで利害関係の一致している大人はあまりいません。なぜなら、世の中の就活ビジネスには学生を食い物にしているところも少なくないからです。就活は情報戦ですが、どの情報を信じるかでも進行度が変わってくるので、利害関係を意識して誰を信じるか選ぶことも必要になると思います。

嬉しかったこと:家族の圧が無かった

卒論の調査で地元に帰った時、祖母と母から「就活どう?」と聞かれました。
「絶対叱られる!」と思いながら決まってないことを伝えると、「大丈夫?でも焦って変な会社に入るよりはいいよね〜」とプラスに受け取ってくれました。無い内定に焦りを感じていた身としては、そこで叱責されたり心配されることがなかったので、負担にならずありがたかったです。

もし身の回りに就活で苦戦している方がいる場合、不安要素の話ではなく、プラスに受け止める話し方をすると相手の負担にならずに支えることが出来るかもしれません。

まとめ

やりたいこともできることもわかっていない中で、就活を攻略するのは難しい!

以上が私の(失敗した)就活開始から内定までの流れです。今就活をしている・これから始める方は就職する上でやりたいこと・自分にできることを明確にしてから活動することをお勧めします。また、自己卑下し過ぎないでください。新卒の場合誰でも働くのは初めてです。すごい学歴の人も、すごい経歴のある人も会社によってはプラス評価されるくらいです。どうか就活で思い詰めないでください。

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